ラマラマ


製作:コップ袋、ねぎ

1.はじめに

 このシナリオは“クトゥルフ神話TRPG”と“クトゥルフ神話TRPG2010”に対応したシナリオです。

 作りたての探索者34人向けにデザインされています。プレイ時間はオフラインセッションで1時間、オンラインセッションで 4時間 30分程度になっています。

 シナリオの設定は現代の夏、熱帯雨林気候の地域マレーシアです。

 推奨技能は<オカルト><操縦:手こぎボート>、次点で<博物学><目星>です。

 正気度ロールがやや強めになっています。

 

2.シナリオの概略

 探索者はマレーシアのクロッカー山脈を旅行中にバス事故に遭い、崖から転落する。目を覚ますと深い霧漂う森の中だった。

 そこは先住民の間で死者がラングスィールという化物になって甦ると囁かれるいわくつきの地域。どうにか脱出しようと三種の蝶を頼りに探索を続けるうち、自分達は死んでいるのに気づく。なんと今いるのはマレーシアではなく、シュゴーランが死者の魂を喰らう異界の淵だった。探索者たちは生還する方法を探し当て、シュゴーランの魔手から逃れることができるだろうか。

 

3.シナリオ導入

 探索者はマレーシアのクロッカー山脈へ旅行に来ています。事前にお友達、家族、など誰とツアーに参加したかを設定しておくと、最後の演出が盛り上がるので、プレイヤーと相談しておくのをお勧めします。

 彼らはバスツアーを予約しており、同じバスへ同乗しています。もし、探索者の中にマレーシア人がいれば、事前に相談してツアーをガイドするスタッフの一人として参加していただいても構いません。

 

 バスはクロッカー山脈を上っていきます。バスガイドが笑顔で自己紹介をします。その流れで、探索者たちに自己紹介をしてもらい、キャラクターに馴れてもらいます。

 自己紹介が終わると、バスガイドが説明を始めます。

 

「左手の崖下に見えますのが、アビィソの森でございます」

「ここではオランウータンや****(鳥の名前)など、熱帯雨林で生息する動植物の宝庫となっております」

「また局所的大雨、スコールも有名ですね。この空気ですと今日も夕方頃に一雨来るでしょう」

 ここでガイドは声のトーンを落とし、相手を怖がらせようとするような話し方をします。

「そんな美しくも厳しい、自然豊かな森なのですが、ある時から奇妙な噂が先住民の間でまことしやかに囁かれるようになりました」

「ある人がいいます。顔が影のように真っ暗な人間がいた」

「またある人がいいます、黒い翼を持った何かがいた」

「また別のある人がいいます。あの世のように黒い化物に魂を吸われると化物になって蘇る」

「そうです。民話です。このような話が生まれるのは人がいる限り万国共通です」

「日本でも夕暮れ雨にまつわるお話が…………」

 ここでガイドは続きを忘れたと言い、知っている人いませんか、と訪ねます。探索者に<オカルト>をロールしてもらうと。以下の話を思い出します。

夕暮れの雨は三途の川の水が落ちたもの。魂のまま触れればあの世から帰れなくなる”

 教えてくれればガイドは感謝します。全員が<オカルト>に失敗した場合は運転手が教えてくれます。

 やりとりが終わるとガイドは仕切り直します。マレーシアの民話には続きがありまして……と語ろうとした直後、タイヤが空転する甲高い音が聞こえます。バスが前方から来た暴走車をとっさに避け、コントロールを失ったのです。そしてそのままガードレールを突き破り、眼下に広がる森の中へ落下していきます。

 以降、<オカルト>をロールし、バスガイドの話の続きを知ることができます。続きの内容は以下になります。

――――

化け物に魂を吸われた者は、この世とあの世の隙間に連れて行かれる。

時間とともに徐々に化け物に変化し、生き返る。

そうならないために、針を手の中に握り込み、魂と肉体を元のままつなぎ止める、という儀式をする。

――――

 もし全員が失敗してしまった場合は、後に登場する、先住民のメモでフォローします。

 

4.霧の中/走る幽霊

 目が覚めると森の中です。いるのは探索者たちだけのようです。バスの残骸などはいっさい見当たりません。荷物は身につけていた物だけです。

 

 探索者はこの時点で肉体を離れ、幽霊になっています。そして時間が経つに連れて、戻れない死にどんどん近づいていきます。肉体と魂の両方を持つ……この世のものである先住民には触れることができません。触れるようになるのは彼が死んだ後になります。

 

 四人がお互いを確認していると、探索者の一人の身体を、先住民が通り抜けます。通り抜けられる探索者はランダムに決定するといいでしょう。そのあとを黒い蝶が鱗粉をこぼしながら追いかけていきます。先住民と黒蝶はそのまま走り去って消えてしまいます。黒蝶を見てしまった探索者は<POW*5>でロールです。失敗すれば自分の存在がとても不安定になった気がします。ここで、自分の感覚を疑うような現象に直面したため正気度ロールです。POWロールに成功していれば0/1d4、失敗していれば1/1d6を失います。これは先住民の分と、POWロールの分を合わせた数値です。

黒蝶について何か知りたい場合は<アイディア>または<博物学><生物学>をロールします。<アイディア>に成功すれば、先住民は黒蝶から逃げていたのではないか、と気づきます。<博物学>または<生物学>に成功した場合、その蝶はまったく見たことの無い新種であるとわかります。

 

 その後、ふわりふわりと紫の蝶が一匹、探索者の肩にとまります。それがきっかけになったように、キラキラと光る三種類の蝶が沢山も現れます。黒、紫、青――各々の色で固まって動いているようです。一つは黒い蝶がたくさんいる方角、一つは青い蝶がたくさんいる方角、一つは紫の蝶がたくさんいる方角です。まるで見えない道を作っているようです。

 景色に<博物学>を使うなら、この森はマレーシアのはずだが、どこか違和感を感じると思います。この時点ではここまでしか解りません。

 

 

5.三種類の蝶

 蝶は色ごとに性質があります。

 紫蝶は死肉や死の匂いに引き寄せられています。森の中に入って以降は、セッションが進むごとに、探索者の付近を飛ぶ紫蝶が数を増やしていきます。キーパーはイベントが一つ消化されるごとくらいに、紫蝶の数が増えたのをさり気なくアピールして下さい。制限時間を明確に設けているのなら、時間ごとに紫蝶を増やしてもいいでしょう。

 

 青蝶はこの世への道を示しています。

 

 黒蝶はシュゴーランの使いです。魂のまま彼らを見れば、存在が薄くなっていくような気分に襲われます。肉体をもっていれば、彼らの鱗粉から激しい毒を受けます。

 

 

6.蝶の示す先

◆紫蝶の先

 進むと酷い匂いがしてきます。肉が腐ったような悪臭です。更に行くと巨大な花が見つかります。それは毒々しい赤で、肉厚の花びらをつけている花です。紫蝶が大量にたかっており、周りには色々な生物の骨らしきものが散らばっています。<博物学>に成功すればラフレシアであり、死肉に似た匂いだと解ります。<知識>であればラフレシアだと知っています。

 この場で<目星>に成功すれば鋭利で鋭い骨をいくつか(探索者の人数分以上)見つけます。

 紫蝶の道はここまでです。

 

◆黒蝶の示す先

 黒蝶のいる先に進むと、たくさんの黒蝶があちこちをひらひらと飛んでいます。奥へ行くごとに数を増しているようです。<POW*4>をロールしてもらいます。失敗すれば0/1d4正気度ロールです。この倍数は蝶の数によるものなので、一度目が成功していたかは関係ありません。

 まだ進むと人が倒れているのを見つけます。服装からして先住民のようです。数匹の黒蝶とたくさんの紫蝶が周囲を舞っています。近づいてハッキリ確認すると、口いっぱいに、どす黒い臓物をはき出して死んでいるのが解ります。正気度ロールです。1/1d4+1を喪失します。

 

 この哀れな遺体はシュゴーランの犠牲者です。彼は、シュゴーランの口吻で、口から肺を吸い上げられ死亡したのです。

 

 <アイディア>で、先ほど探索者の身体を突き抜けた先住民だとわかります。また<医学>に成功すれば、顔に紫の痣が大量にあり、露出しているのは肺であることが解ります。紫の痣の情報は<目星>で出してあげてもいいかもしれません。

 彼の所持品を調べると、木の皮で出来た、メモのようなものを持っているのを見つけます。読もうとするとなんの言語かすら解りませんが、何故か、文字を読むのではなく、書かれた心を解くように内容が理解できます。

 メモの内容は以下になります。バスガイドの話についてのオカルトに全員が失敗していた場合は木の皮は二枚になり、もう一枚に話の続きが書かれています。

 

――――

 生きて死を越えなければ森を抜けれない。早くしないと蝶がわたしを殺しに来る。

 やつは執拗だ。悪魔を退ける魔除けを使いたいが肝心なものが無い。私たちの観念には無かったのもであったから、こればかりはどうしようもない。どうにかして夕暮れまでに逃げ切らなくては。

――――

 このメモから、『魔除け』について心当たりがないか、プレイヤーから尋ねられたら<オカルト>をロールしてもらいます。成功すれば、マレーシアの都会で瓶に水を溜めたものを玄関に置り、これは足を洗い、魔がついて来れないようにするおまじないであるのを思い出します。

 もしも、ここで全員が失敗してしまった場合は三途の川の舟守が情報を一部フォローします。

 補足として、『わたしたちの観念』とはマレーシアの死生観です。この場は、死者の死生観により形作られており、彼らの死生観に水はない、ということを示しています。

 

 黒蝶の道はさらに続いています。

 まだ進むのであれば、さらに黒蝶の数は増し、あたりはどんどん暗くなっていきます。<POW*3>でロールです。失敗すれば、手のひらが透けたような錯覚に陥ります。さらに1/1d4+1の正気度ロールです、

 ここから進むのであれば、黒蝶は天を覆い尽くし、薄暗い中を進むことになります。<POW*2>でロールです。失敗すれば、踏み出した足が消えたような錯覚に陥り、バランスを崩します。さらに1/1d6+1の正気度ロールです。

 さらに進むのであれば、黒蝶は自分たちの目と鼻の先で飛び続けます。黒蝶はいよいよ密度を持った暗闇のようにひしめきます。<POW*1>のロールです。失敗すれば、意識が一瞬、失われます。まるでこの場から消滅したかのように。1/1d10の正気度ロールです。

 これ以上進むのであれば、黒蝶の塊がモーゼの海のように裂け、そこからシュゴーランが現れます。おそらく探索者は為す術もないままに殺されてしまうでしょう。

 

◆青蝶の示す先

 大木に誰かがもたれかかっているのが見えます。人数は探索者と同じ数です。近づくとそれは、とても見覚えのある顔、自分たちです。それに気づいたら正気度ロールになります。0/1d4です。もう一人の自分たちは目をつぶりピクリとも動かず、呼吸もしていません。

触れようとするとすり抜けてしまいます。

 

 青蝶の道は先があります。

 さらに進むと水が流れる音が聞こえてきます。たどり着いたのは川です。大小様々な大きさの自然石や岩が川辺に敷かれています。霧のせいで向こう岸は見えません。青蝶は川を渡っています。

 川を調べるのなら<アイディア><地質学>になります。<アイディア>で、この水は熱帯雨林地方マレーシアにしては冷たすぎることが、<地質学>でマレーシアではなく、日本の水質のようだ、というのが解ります。

 

 これは三途の川です。探索者、あるいは、ツアーの参加者の死生観から形作られた物です。キーパー情報になりますので、ここでは伏せていても大丈夫です。

 

 川を見渡せば、ぼろい船着き場があります。が舟は一艘もりません。傍らにはボロボロの布きれを被った人間の形をしたものがいます。彼は三途の川の橋渡しです。探索者を見つけると掠れた声で笑いながら応答します。舟はないのかと聞かれれば、「出すものを出せば貸してやるよ。ただし、あんたらのせいかね? 漕ぎ手がいなくなっちまったから、それは自分でなんとかするんだね」と答えます。出すもの、とはお金です。

 

 また、魔除けの<オカルト>ロールに全員が失敗していた場合、この舟渡しから、「拾った」と称した魔除けの内容が書かれた木の皮を持っており、懐から出して眺めたりしながらアピールします。譲って欲しいと言えば、やはり「欲しけりゃ出すもんだしな、ぜんぶな」とだけ答えます。

 

 もし復活の儀式を行わないまま、三途の川を渡れば、魂のまま現世へ戻り、永久に生き返ることはできなくなります。ロストです。キーパーによっては舟守を使って警告してもいいでしょう。

 

7.先住民の悲鳴

 三途の川、もしくはラフレシアまでたどり着き、さあ別の道をいこうかと探索者が移動しはじめたタイミングで発生します。<聞き耳>を振って貰います。成功すれば男の悲鳴が聞こえてきます。黒い蝶がいた方角からです。失敗すれば悲鳴は聞こえますが、方角は分かりません。

 これは先住民がシュゴーランに殺されたときの悲鳴です。探索者を先住民の遺体へ誘導するためのイベントなので、場合によっては省略しても構いません。

 

 

8.復活の儀式

 鋭く尖った骨を大木に横たわる肉体に握らせます。すると、骨を握った探索者は白目を向き、ぴくぴくと震え、その場で立ち尽くします。儀式が終わるまで行動できません。

 全員が骨を握り終わると、視界が真っ暗に覆われます。1ミリ先も見えない闇。その中で見える物があります。それは以下です。

 ここで探索者を仮にA、B、C、Dとします。

 AはBが、ぼぅと、もやのように頼りない姿で見える。

 BはCが、ぼぅと、もやのように頼りない姿で見える。

 CはDが、ぼぅと、もやのように頼りない姿で見える。

 DはAが、ぼぅと、もやのように頼りない姿で見える。

 

 話しかけても一切反応はありません。触れることもできません。ただ目の前にその人がいるのを認識できているのは自分だけのようです。

 やがて黒い蝶が舞い降りてきます。黒蝶は揺れながら目の前にいる人の顔付近に近づいていく。

 観察を続けていると、黒蝶は口を目指しているようです。

 ここでキーパーはプレイヤーにどうするかを尋ねます。全員の決断が終わってから処理を続けます。

 ここで何もしなければ、黒蝶は口の中へ入っていきます。

 黒蝶が口の中に入ってしまった場合、大木にもたれた状態で目を覚まします。その直後、肉体を内側から毒で犯し尽くされ、紫色の斑点を顔に浮かべて死んでしまいます。ロストです。

 キーパーによっては、黒蝶が口に入った瞬間、目の前の探索者は姿を変え、自分自身に変わってしまった、として、ペナルティを受けるのは何もしなかった探索者自身だ、とするのもいいでしょう。

 

 黒蝶が口に入らずに済んだ探索者は、闇に溶けていくような感触の後に、無事、肉体に戻り、大木にもたれた姿勢で目を覚まします。これ以降、紫蝶は探索者をつきまとうことはありません。

 

 探索者が元の身体に戻れ、喜びをかみしめているタイミングで、黒蝶が続々と集まり、鱗粉をまき散らします。POT10との抵抗ロールです。成功すれば1d2、失敗すれば1d6ポイントのダメージです。この鱗粉での気絶は発生しません。

 

 

8.夕焼けを写す雨

 オンラインセッションで4時間、オフラインで1時間30分を想定していますので、そのくらいが制限時間の目安になっています。キーパーの裁量で調節しても構いません。携帯や時計は身につけたままなので、それで時間を確認することが可能です。

 

 ◆時間制限を超えてしまった場合。

 バスガイドが言った通り、夕方にスコールが降ります。それを復活の儀式の前に浴びてしまうと、突如、何も見えなくなります。

 耳には雨が、地面と自分をうちつける音ばかり。木の葉をうちつける音は、まるでしない。見えているものは黒だけ。

 顔に何かが覆い被さった。その後は何も覚えていない。

 魂はシュゴーランに捧げられ、肉体はシュゴーランの眷属となり果て、森を永遠にさまよいます。

 

9.シュゴーランの追跡

9-1.舟出

 三途の川まで行き、舟渡しにお金を払うと、霧の中から舟があらわれ、船着き場にとまるます。お金はどこの通貨でも、いくらでも構いません。ここで、探索者たちが足を洗う魔除けに気づいていなければ、キーパーによっては舟渡しから「慌てすぎて準備を忘れないように」などと警告をしてあげてもいいかもしれません。

 

 舟を進めるとき★<操縦:手こぎボート>をロールします。成功すれば、青蝶の示す先へ向かいます。失敗すれば、あらぬ方へ流されていきます。

 

 舟が進むうち、出発した岸も、向こう岸も見えなくなります。あたりには依然、霧が深く立ちこめ、頼りになるのは青蝶だけです。

 そこへ、「助けてくれ-」と男の声と、水面を叩く音が聞こえます。この先住民はシュゴーランが化けたものです。

 

■声のする方へいった場合。

 叫んでいる男の情報を集めようと<目星>に成功したなら、その男は死んだ先住民では無いか、と分かります。探索者がそれに気づくと、先住民はぴたりと暴れるのを止め、静止した瞳を<目星>成功者と交わらせます。そして、身体が解け、大量の黒蝶があらわれ、シュゴーランが現れます。

イベント9-2:シュゴーランの追跡』に続きます。

 

 情報を集めず先住民に近づき、手を伸ばす誤った勇気を持つ探索者がいれば、思いっきり引っ張られて逆に引きずり込まれ、<STR45>との抵抗ロールが発生します。この抵抗ロールは探索者全員が参加できます。失敗すれば水中に引きずり込まれて、先住民はシュゴーランという本性を露わにし、探索者を嬲り者にします。成功すれば手を振り払えますが、触った探索者はPOT15との抵抗ロール。成功で1d4、失敗で1d8のダメージを受けます。

イベント9-2:シュゴーランの追跡』に続きます。

 

 近づいただけで、いっこうに助けようとしない場合も、先住民は暴れるのを止め、本性を現します。

イベント9-2:シュゴーランの追跡』に続きます。

 

■無視した場合

 突如、水面を叩く音も、悲鳴も消えます。その後に、尋常ならざる絶叫が聞こえてきます。

 そちらを見えると、霧の中で黒蝶が大量にうごめいているのが見えます。そして中心からシュゴーランが現れ、舟を追いかけてきます。このルートを通った場合は、シュゴーランが襲い掛かってくるまでに1ラウンドの猶予があります。

イベント9-2:シュゴーランの追跡』に続きます。

 

9-2.シュゴーランの追跡

 シュゴーランを目撃した探索者は1d6/1d20の正気度ロールです。

 ここから戦闘ラウンドで処理していきます。

 事前に足を洗っていれば、最初のRでシュゴーランは手を伸ばしては来ますが、探索者にふれる直前、ぶすぶすと煙を上げ苦しみ、行動を終了します。

 シュゴーランは自身が攻撃できない代わりに舟をひっくり返そうとします。

 キーパーは探索者の残り体力や、状況を見て、緊迫感が足りないと感じたならば、大量の黒蝶を呼び寄せ、鱗粉をまき散らし、POTロールを発生させるのも、いいかもしれません。

 

 足を洗っていなかった場合は、戦闘ラウンドでシュゴーランの無慈悲な攻撃が探索者を襲います。後述のデータを参照して下さい。

 

 ここから離脱するには<操縦:手こぎボート>に成功する必要があります。最初の★<操縦:手こぎボート>に失敗していた場合は、技能値を-10%しての判定になります。成功すれば『イベント10-2.再会』に続きます。

 

 シュゴーランとの戦闘ラウンドに突入してから、<操縦:手こぎボート>に二回続けて失敗した場合、舟はひっくり返され、探索者たちは三途の川に投げ出されます。<幸運>をロールしてもらい成功した探索者は『イベント:10-1.』へ続きます。失敗すれば、以後、その探索者を見た人はいなくなります。<水泳>等をつかえるのなら、自力で生き残る可能性があるかもしれません。

 

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シュゴーラン 死を告げるもの

STR:45 DEX:30 INT:45

CON:128 POW:40 SIZ:22

H P:75 M P: 回避:60 ダメージボーナス:+3d6

[技能]

 かぎ爪:75% 1d6+3d6

 口吻:90% 次のラウンドで自動的に死亡。

 装甲:10ポイント

 正気度喪失:1d6/1d20

 

[姿の特徴]

 全身が黒く、ナマズに似てざらついた皮膚、小さな翼のようなヒレ、水かきのついた足、長い口吻を持つ。シュゴーランはその黒い口吻を犠牲者の鼻と口を覆うように吸いつけ、肺を吸い込んですみやかな死をもたらす。この攻撃の犠牲者は顔面に恐ろしげな紫のアザが残り、吸い込まれた肺が口から飛び出す。

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10.元の世界へ

10-1.

 探索者は病院で目を覚まします。全身は包帯で覆われており、ところどころに黒い斑点が浮かび、うまく呼吸ができません。APPCON1d3だけ永久喪失します。この場合、探索者の正気度報酬はありません。

 

 

10-2.再会

 青蝶の示す先が終点に来ると光の穴にたどり着きます。そこに飛び込むと飴細工が引き延ばされるような感覚がします。気がつくと、森の中で立ち尽くしています。

 旅行に同行してくれたパートナーがいる探索者は、ここで再会します。パートナーが心配しており、探索者との再会を喜んでいる姿をロールプレイすると、より盛り上がるかもしれません。彼らから、バスは森がクッションになり、全員が無事だったことを教えてくれます。ひょっとすれば、これはシュゴーランが生け贄を求めた結果かもしれません。

 同行者がいない場合はガイドがフォローします。無事帰還した喜びを彼女が分かち合います。

 こうして探索者は元の世界へと戻るのでした。

 

11.正気度の報酬

 シュゴーランの魔の手から逃れ、無事に元の世界へ帰還した探索者は1d10の正気度ポイントを回復します。