蛍火の下で


製作:しろちよ


☆はじめに

このシナリオは『クトゥルフ神話TRPG』に対応したシナリオです。

時は現代、場所は日本のどこかの山村「亜之村」。 季節は夏至の頃。

ちょっと田舎に泊まろう!なノリで亜之村に遊びに行きます。

プレイ時間はオンラインセッションで短ければ4~5時間、長くなれば7~8時間を想定しています。

オフラインではまだ試していませんが、恐らく2~3時間で回せると思います。


推奨技能は目星と図書館、ナビゲート。

多様な学問系技能があるとより楽しめるかもしれません。

最後のトゥールスチャの攻撃はなかなか飛んでくる事はありませんが、直撃した場合はステータスに大幅な下降があります。

それをぶつけるのに躊躇いなどがございましたら、もしかすると回避も…と伝えて構いません。

また、このシナリオは現状では<幸運>にかなり依存している部分があります。

POWが極端に低い、極端に高い探索者がいる場合は格差が生まれてしまう部分があるかもしれません。

選択ルールとして、シナリオ開始時に3d6を振って頂き、その数値を5倍にした値が卓内での幸運とする形で均衡を取ると良いかもしれません。


☆1.あらすじ

プレイヤー人数は2人~4人を推奨しており、キャラクターは友人同士とします。

友人同士で”田舎に泊まろう!””田舎で蛍を見よう!”と言った計画を立てた探索者は

「幻のホタル柱」という噂のある小さな山村”亜之村”に訪れます。


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☆2.シナリオの背景

亜之村周辺の地域は、かつて人が入植するよりはるか以前から、死と腐敗と衰退を糧とする神【トゥールスチャ】が沸き出した土地の一つでした。

当然ながら、トゥールスチャが噴き出した周囲は死と腐敗と衰退に見舞われていましたが

長い時を重ねるにつれて、この土地の生物達はこれに適応するようになりました。


微生物や菌類、ミミズや徘徊性昆虫などを主体とした土壌生物たち【分解者】が

トゥールスチャによって作られたあらゆる生物、植物の腐敗した死骸を瞬く間に分解。

豊かな土地へと作り替えていきました。

それにより植物や菌類が繁茂するようになり、昆虫達が植物や死骸に群がり

昆虫を食べるほ乳類や鳥類らがやってきて、トゥールスチャによって多くの生物が死に、土に還る。

そんなサイクルがいつの間にか生まれていました。

トゥールスチャは定期的に糧を得られるようになったため、その姿を小さな淡い光【トゥールスチャの灯火】(以下【灯火】)へと変え、

そして一定の周期(約8~10年、誤差あり)でその姿を顕すようになっていきました。

結果、この地域は死で溢れていますが、それすらも超えた命の育みによって、短命だが、生命溢れる豊かな土地となっていきました。

トゥールスチャは、この土地の生態系の重要な基盤としてなくてはならない存在となったのです。


しかし、この地に新たに現れた人々にとって、これは大きな問題でした。

豊かな自然の恵みを見つけて入植をしたは良いものの【灯火】やトゥールスチャの顕現の影響で

村の者はゆるやかな死への誘い…「老化」を受け、早くに死んでしまいます。

また、森に入った者がその中で死亡、腐敗させられ、分解者によって短時間で土へ返されてしまう。

そのため多くの行方不明者が出るようになってしまいました。


だというのに、この地に関わる人々は、この現象の正体を知る由もなく、どうすることも出来ませんでした。

ただ正体不明の現象を畏れ、それを何らかの形で伝え、危機を回避する他なかったのです。

短期間で人が死ぬため、歴史や大人達の経験を子供に正確に伝えられなかった人々は

【噂】や【伝承】という形で、子供達に遺していきました。

それもどこか眉唾なものばかりで、最後まで残った共通の認識は

【子らは里に出し、蛍は無下に扱わず、光るキノコには触れないでおく】という事だけでした。


そして、情報が世界中に溢れ返っている現代。

【噂】の種となっていた情報たちは形を変えて、あらゆる方面にバラまかれていました。

その噂の中で最も有名なのが、【幻のホタル柱】という噂。

そんな噂を聞いて気になった探索者達は、期待を胸に亜之村へと訪れます。


☆3.このシナリオの諸注意

本シナリオのテーマは「人の手に負えない超自然の与える恩恵・脅威を避け、どう共存していくか」となっています。

雰囲気がかなり重要とされるシナリオとなりますので、【3.シナリオ背景】をよく読んで頂き、ご理解の上、シナリオを回して頂ければと思います。

雰囲気を作るために描写・情報が短時間シナリオにしてはかなり多くなっています。事前に情報をすぐに渡せるように、準備をしておく事を強くオススメします。

以下に準備例を記載しておきますので、ご参考の程をよろしくお願い致します。


例1)オンラインセッション時

・どどんとふの「チャットパレット」に描写・情報を入力をしておく

・どどんとふの「共有メモ」に情報を貼付け。 

KP側から「これらの情報はKPが共有メモに貼付けます」と言って頂ければ、PL達が情報を入力・整理する手間が省け、より円滑に進むでしょう。

余裕があれば、チャットパレットによる描写の入力と併用して頂ければ、より没入感が増すかもしれません。

詳しくは上記の「どどんとふ指南 for KP - クトゥルフ神話TRPGやろうず」をご確認下さい。


例2)オフラインセッション時

・情報ごとにメモを作成しておき、メモを探索者に渡す

モノによっては情報が被っているものもありますので、どのロールで情報が出るかをメモにも明記しておく事を強くお勧めします。

また、余裕があれば口頭で情報を伝えてからメモを渡すようにすれば、より強い雰囲気作りができるかもしれません。


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☆4.NPCについて

この村のNPCは亜之本海、瀬戸枝里、亜之理衣子を除いたNPCは

必ず比較的老けた人間の立ち絵を用意して下さい。


彼ら村人は、この土地に長く住んでいたため、【灯火】の影響で少しずつ死へと誘われているため、

急速な老化が起こっています。また、約10年周期で発生するトゥールスチャが顕現した際は

周囲により強い影響を与えるため、この日の前後に亡くなる方も多くなっています。

子供のうちは人体の”成長”に使われる身体の栄養を奪われてしまいますが、

幸いにも土壌の豊富な栄養を沢山貰っているため普通の人間として成長しています。

そして、【子らを里に出し、蛍は無下に扱わず、光るキノコには触れないでおく】のしきたりの下

この村で生まれ育った子供は小学生に上がる頃には、親と共に村を出ていくため

外見上は老人と子供しかいない奇妙な村となっています。

しきたりに習い、幼少期にこの土地を離れ、戻ってきた人間である亜之本海は

トゥールスチャの影響をそれほど受けていないため、年齢相応程度に見える事でしょう。


また、この村の人間は自殺の名所という黒い噂を払拭しようと、死ににくる人を少しでも元気づけて

元の彼らのあるべき場所へ帰ってもらおうと、外から来た人には大変親切にしています。

そのため、NPCはPCに対する思いやりをもってRPをしてあげてください。


▽亜之 本海(あの もとみ) 21歳 大学生 男 siz13

・亜之村の地主。 大学では社会学・経済学・法律を学んでいる一般的な大学生。

 ある程度料理もできるが、レシピ通りに作れる程度。

・幼い頃は村のしきたりで村を離れ、数年おきに帰省している。

・気さくな性格で目上の人物には敬称をつけるものの、言葉遣いは誰であってもフランク。

・時々帰っているため村の子供達にも顔が知れており、強く慕われている。


【本海の秘密】

・本海は8年前、中学生の頃に妹の理衣子と一緒に”幻のホタル柱”を見ている。

・その際、理衣子が足を踏み外してしまい、川に落ちる直前に手を伸ばしたが

 【灯火】を受け老いており、体が思うように動かず、その手を掴めなかった。

 もっと早く気づけていればと、それ以来ずっと自責の念に囚われている。

・本海は【幽霊村】の噂を聞き、理衣子に会えるかもと考え自分で倉を探す予定だったが

 「幻のホタル柱」を見に来た探索者達に協力、手伝う名目で自らの目的を果たそうとしている。


▽亜之理衣子(あの りいこ)享年11歳 故人 女

・本海の二歳下の妹。 元々は運動が得意で、特に水泳が得意だった。

・8年前、本海と一緒に”幻のホタル柱”を見ている。

・【灯火】を受け体が老いてしまい、思ったように体が動かず川に落ち溺死。

・生前は母が早死にしてしたため、料理を一手に引き受けており、料理上手だった。

・現在は”幻のホタル柱”の直下にある”ヨミジタケ”に縛られ、動けないでいる。


▽初老の男性 31歳 男 siz12

・村の老人代表で、最初に探索者たちと話す初老の男性。

・家族の介護のため若い頃から村に残り、本海や理衣子とよく遊んでいた。

・【灯火】の影響を受けた事で、30代とは思えないほど老化してしまっている。


※EX:追加キャラクター

旧版の名残ですので、使用してみたいと思った場合は出してみても構いません。


▽瀬戸 枝里(せと えり)21歳 大学生 女 siz11

・本海の恋人。本海と同じ大学に通っているが、学科は別の模様。

・本海が村の外に出てすぐから付き合いの出来た幼馴染で、料理が上手。

・生前の理衣子と仲が良く、彼女から料理を教わっていた。

・大学を卒業後結婚し、二人で料理屋なり、弁当屋なりを営むのが夢とのこと。

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☆5.導入

最初に、村へ行く前に探索者達に【▽『幻のホタル柱』】【▽亜之村の基本情報】を伝えて下さい。

もう少し幻のホタル柱について詳しく知りたいと言った場合は<生物学><図書館>をロールしてもらい

成功時に「大量に蛍が出るのは主に5~6月とされており、今の時期は丁度見頃」と伝えて下さい。

蛍について調べるという探索者がいた場合は、<図書館><生物学><博物学>ロールに成功で

【ホタルについて】を開示して下さい。


終了後、特になければそのまま導入を終了し、【☆6.亜之村】へ移動となります。


そして、他にも噂があるようだが…と匂わせておき、噂について詳しく調べたいという場合は

探索者の興味によって、目に付く噂が変わると伝え、

<生物学><博物学><地質学><歴史><オカルト><人類学><薬学><医学>などでロールさせてください。

その結果を【▽探索者の興味・関心を引く噂たち】から伝えて下さい。

ただし、処理が大変になってしまいますので、初期値はお断りしても構いません。

また、これらの情報は亜之村に向かう道中、以前で全員に共有したものとして構いません。


他にもそれらしい提案があれば、情報を差し上げても構いません。

例えば<ナビゲート>:「道路は古く狭い道路一本だけであり、車通りは非常に少ない」など。

軽く事前確認をして頂いた所で、現地に向かってもらいましょう。


ーーーーーーーーーー☆5.導入での情報まとめーーーーーーーーーー

▽『幻のホタル柱』

・何年かに一回、夏至の頃に蛍達が蚊柱のように集まり、光の柱を作る事がある。

 その噂を確かめに行った者は誰一人、その蛍柱を見た事がないため幻とされている。

 その光が現れた翌年は豊作になる、との噂。


>>追加で<生物学><図書館>

 大量に蛍が出るのは主に5~6月とされており、今の時期は丁度見頃。

 とても期待ができそうだと分かる。


【ホタルについて】

・日本に住むホタルは40種類以上。そのうちゲンジボタル・ヘイケボタルが良く見られる。

・殆どのホタル成虫は食事を採らず、口器は水分を接種する機能しか持ち合わせていない。

・ホタルの発光は等間隔で明滅をする。

・求愛行動としての明滅、刺激された時の明滅、威嚇のための明滅の三種類があると言われている。

・ホタルはルシフェリンという発光物質と、ルシフェラーゼという体内酵素を反応させ光っている。

 そのルシフェラーゼの働きにより、発光しても熱を持たない。


▽亜之村の基本情報

・亜之村は山奥にある小さな村。 場所を選べば簡単に村全体を一望できるほどに小さい

・交通はバスが一日に2本ある程度

・店は殆どなく、コンビニなどは一切ない

・村に旅行にいった人たちは、村人の人たちに食事や宿を提供してもらっていた

・村人の暖かさ、夏の風物詩である蛍を楽しめる穴場として密かに有名


【EX:追加情報】

▽探索者の興味・関心を引く噂の数々

<生物学><博物学><地質学>

・多くの動物が頻繁に見られる「動物観察の穴場」

・特にキツネやタヌキ、イタチなどの小型~中型のほ乳類や鳥類が多い

・主にそれらは餌となる昆虫や植物が豊富にあるためとの噂

・亜之村は土壌が栄養豊かであるため、美味しい山菜が沢山取れる

・特に養殖方法が確立されておらず希少価値の高い「ホンシメジの群生地」だとの噂


※ホンシメジについて

・シメジ科シメジ属のキノコ。別名ダイコクシメジ。香り松茸、味シメジとも

・キノコの中でも有数の強いうまみを持つ優れた食用菌。

・生きた木の外生菌根菌であり栽培が非常に困難。ほぼ天然物に限られ稀少なため高級品とされる。

・澄まし汁、きのこご飯、クリームシチューなどに向いている。


詳細はホンシメジ - wikipedia -参照。 「ホンシメジ 料理」で検索すると幸せになれる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A1%E3%82%B8


<歴史>

・亜之村は、江戸の頃から始まり、この街周辺を統括していた都と呼べるほどに大きな村だった。

・年を経るごとに規模が縮小。現在では限界集落となっている。

・少々、村の歴史が曖昧。


<オカルト><人類学>

・亜之村は人魂や幽霊の現われる「幽霊村」という異名を持ち合わせている

・また噂が転じて「自殺の名所」としての穴場になっているとも云われている

>>詳しく知りたい、人魂について言及・提案が合った場合は<オカルト><人類学><図書館>。

成功時に以下の【人魂】の情報を開示する。


【人魂】

・人魂は人間の魂であり、人間が死ぬとその身から抜け、黄泉路へ向かうものである

・人魂は緑色の灯火をたたえ、熱を持たず、発光し続けている

・触れれば黄泉へ引きずられ、死へと誘われるとも云われている


追加で<オカルト><歴史><人類学><芸術:古文>など

・ホタルは死者の魂、もしくは生まれ変わりとして古くから伝えられている。

・人魂や鬼火、狐火は同義と捉えられたり、蛍と間違われる事もあるようだ


追加で<化学><物理学>

・人魂や狐火、鬼火の正体は、高圧電流の火花などが錯覚で火の玉に見える等の物理的現象と錯覚が相まって生じたといった説がある。

・可燃性ガスを使って人工の人魂を作った例もあるが、その環境下でなくても目撃例がある。


<薬学><医学>

・「ヤコウタケ」ら「光るキノコ」が群生しており、その手のマニアがこぞってやってくる

・「光るキノコ」のうち「ツキヨタケ」は毒を持つ

・食後約30分から3時間以内に嘔吐、下痢などの食中毒や幻覚、脱水症状などを起こす

・「ツキヨタケ」の幼菌は食用のシイタケに、成菌は食用のヒラタケやムキタケによく似ている

 食用として間違われ食べられるなどの被害が相次いでいる。


※シナリオ上、ツキヨタケはそれほど重要な要素ではないが

もし出す機会があり食べた探索者がいた場合、POT15あたりで対抗を行い、失敗時1d6、成功時はその半分のダメージ。

解毒剤使用でのみ治療可とし、なければ薬学による調合が必要とする。幻覚症状を引き起こすのも良いかもしれない。

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☆6.亜之村

村へ到着後、【▽亜之村の基本情報】を伝えて簡単なロールプレイをしてもらい、プレイヤー達にちょっと慣らしをしてもらいましょう。


周囲を見て回るといった発言があれば<目星><アイデア・知識・生物学*2・博物学*2・人類学*2など>

建物を見る発言があれば<歴史・人類学・建築・デザインなど>を振らせてください。

成功で下記にある【▽亜之村の気になる所】の技能ロールに合った情報を与えて下さい。


頃合いを見て、NPCを何らかの形で登場させて【☆7.住民との交流へ】と移って下さい。


ーーーーー☆6.亜之村での情報まとめーーーーー

▽亜之村の基本情報

・幾つかの民家に多くの畑、稲穂などが並んでいる村

・民家はトタン屋根や瓦屋根の古く痛んだ建物が立ち並ぶ

・畑には様々な種類の野菜が栽培されており、稲穂は青々と茂っている

・周囲を森に囲まれ、村の西側に川があり、東側に墓地がある


▽亜之村の気になる所

とりあえず<目星>

・亜之村の外れ、森に隣接する辺りで白いキノコを見つける。

 また、周囲を見渡してみると、何かが足りないような… 少し変な…そんな気がする。


>><生物学>でヤコウタケと呼ばれる”光るキノコ”であるとわかる。

※事前にキノコに関した情報を得ている場合は、自動で判明しても良い。

※触れようとした場合は「そのキノコに触っちゃいかんよ、触れたらおっちんじまうからね」と、NPCに話しかけさせましょう。→☆6.住民との交流へ


<アイデア・知識・生物学*2・博物学*2・人類学*2など>

・この村ではスズメの鳴き声が一切聞こえない。ネコや犬なども全く見当たらない気がする。


<歴史・人類学・建築・デザインなど>

・建物の意匠はどれも昭和の時期のものであり、比較的新しいもの。

・建物の痛み具合から見れば、優に100年以上の年月が経過しているように思える。


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☆7.住民との交流

NPCは噂について知っている事は素直に答え、知らない事は素直に分からないと答えます。

当然、心理学などをしても特に嘘をついているようには思えないと描写します。

詳細は下記の【▽住民NPCが知っている事】【▼住民NPCが知らない事】を参照して下さい。


ある程度質問が終わった場合、もしくはNPCが知らない事ばかり聞かれて膠着したりした際は

頃合いを見計らって「難しい事は分からんが、亜之さん家になら、そういった話の元になったものがあるかもしれない」と伝えて下さい。

何故亜之さん家なのかと聞かれた場合は「亜之の家はかつてからこの村の地主なので、そういったものが集まってるかもしれない」と答えましょう。


その後、「そろそろ早いが食事の準備をするが、良ければ食事を村の皆と食べていかぬか?」と聞いて下さい。

そして「墓で掃除をしている【亜之本海】にこの事を伝えてきてくれないか」と探索者に頼み、お爺さんは村中を駆け回ることになります。


ーーーーー☆7.亜之村での情報ーーーーー

▽住民NPCが知っている事

・幻のホタル柱について

この村での見頃は6月。今が見頃。

ホタルは死者…先祖の生まれ変わりだから無碍に扱かわないように、と伝えるのを忘れずに。


・動物について

タヌキやキツネ、イタチなどは良く森で見る。 また、色々な鳥が森で見れる。

スズメやネコなどの動物について聞かれたら、都会の鳥じゃからいないんじゃない?と答える

鶏や牛などの動物については、此処だと育てにくいから飼っていないと答える

詳細は当然ながら知らない


・山菜について

周囲の森から採れる。土が良いから山の幸は豊富。ホンシメジが良く採れてとても美味しい。

自分で採りにいきたいと言われた場合、しっかりとした知識がないもんが行くと死んじまうからやめたほうがいいと伝えて下さい。

それでも行くという場合は、下記の【・光るキノコ】について伝える。


・光るキノコ

この村の中にも幾つか、光るキノコがある。絶対に触ってはならない、触るだけで死ぬ。

当然ながら詳細は知らず、父や祖父から語り継がれたと答える。


・自殺の名所について

時折、村にやってきてはバスで帰る気配もなく、いつの間にか消えている事がある。

この地では遺体が見つかった事は一度もないが、故に噂になっているとも。

>>詳しく聞いてみる

せめて、そうならないために村人達は亜之村に来た人たちに声を掛けて、食事を振る舞ったりして

少しでも生きる希望を持ってもらい、帰ってもらおうと努めている事を教えてくれる。


・この村の歴史について

ちょっとした言い伝えくらいなら知っている。

「8月頃に出てくるホタルは、先祖の生まれ変わり。だから無下に扱ってはならない」

「光るキノコには絶対に触れてはならない。 触れれば死ぬ」

「外の者が村に来たら、出来る限り親切にしてあげなさい」

この3つである。 それ以上は分からないと答える。


▼住民NPCが知らない事

・幻のホタル柱の正体

・黄泉の入り口の場所

・ホタルやヤコウタケなど、昆虫や動物の詳細

・この村の歴史は口伝部分のみ

・【人魂】などオカルト話の大半

 人魂については、ホタルと見間違えてるんじゃないか?と答える


【人魂】のワードが出てきたときにロールを要求された場合、「☆5.導入」の情報まとめにある【人魂】に合わせてロールを要求し、情報を与えてください。


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☆8.亜之村探索

亜之村には申し訳程度に探索要素を作っていますが、殆どは雰囲気を出すためのものです。

基本的には①亜之村霊園までお爺さんを使って多少の誘導をします。

別行動を取る方がいれば、②~④を参考に処理を行って下さい。


全員が亜之村周辺での探索行動を2回行った辺りで夕刻とし、村人らに連れられて亜之家に連れて行かせて【9.郷土料理】まで進行して下さい。


①亜之村霊園

小さな墓が立ち並ぶ霊園で、墓はどれも古く劣化が激しいが、どの墓も手入れが行き届いているようです。

ここでは青年「亜之本海」が墓参りのついでに掃除をしています。

亜之本海のロールプレイは、気さくでそこそこ調子のいい若者らしい若者を演じて下さい。

その内には、救う事のできなかった妹「亜之理衣子」の事が頭から離れなくなっていますが

それを見せぬように、無理に明るく振る舞っていることでしょう。


ここで墓をまじまじと見ている探索者には<目星>を振ってもらい

成功で【▽亜之家の人々の寿命】の情報を開示して下さい。

他の墓を見る場合も<目星>で判定を行い、成功で【▽霊園の墓石たち】の情報を開示します。

なお、これらの情報は本海の掃除を手伝う宣言があった場合<目星>ロールに+補正を与えても構いません。

調べる際に「享年」まで指定が合った場合は自動成功で情報を開示します。


②村の散策

ここで周辺散策に向かった探索者は、村の子供(5.6歳ほど)に接触させて軽いロールプレイと聞かれた情報に答えるなどを行って下さい。

男女混合で三人くらいがベストです。

「お客様だから歓迎するよ!」等のRPを行って、純真な子供アピールをしましょう。


なお、子供に対して<医学>などをした場合、年の割に発育がちょっと良いかもしれない、程度の情報を与えて下さい。

美味しい食べ物をたくさん食べているので、子供達はすくすくと成長しています。

また、この際に【☆6.亜之村】に関してロールをさせてもかまいません。


子供たちが知っている事は、【☆7.住民との交流】内の【▽住民NPCが知っている事】【▼住民NPCが知らない事】を参照して下さい。


③森の中

森の中は針葉樹、広葉樹が入り乱れている針広混交林。

周囲を見渡せば山菜やキノコ類も多く、自然の豊かさが伺えます。

ホー…ホケキョ!とウグイスがさえずり、上空からピーヒョロロロロロロ…とトビが鳴いています。

所々からアブラゼミなどのセミの鳴き声も聞こえる事でしょう。


<生物学><博物学><目星><地質学>に成功した場合は

ヤコウタケやツキヨタケ、多くの山菜を発見して一喜一憂としているが、一つ気になる事がある。

これほど豊かな森であれば、何らかの動物の巣くらいあっても良いと思うが、何故か巣らしきものは見つからない…何故? と描写をします。

また、真っ白でちょっと不気味な植物…? が地面から生えている事も伝えます。

<生物学><博物学><オカルト>などでギンリョウソウと呼ばれる植物だとわかります。

詳細は【▽ギンリョウソウ】へ。


探索を一通り行った際に<幸運>を振らせ、失敗で幽霊が探索者の視界に入ります。

幽霊の目撃として、正気度喪失0/1d3を差し上げましょう。 成功した場合は特に何もありません。

クリティカルした場合は、ツチノコを見つけた!などの珍しい動物を発見し今日はどこかツいてる♪

として幸運に+10の補正をあげるなどしてください。


④川の周辺

村の西側にある川は、流れが多少急だが、深い所でも水深30cm前後の比較的浅い川ですが、少々広いようですね。

西の森に向かうには、この川に掛けられている橋を渡る必要があるようです。

川にはヤマメなどの淡水魚が悠々と泳いでおり、周辺にはその魚を狙って

カワセミなどの鳥類が枝先に留まり、じっと川を眺めている様も見れるでしょう。

周辺には村共用の薪置き場があるようで、切り株や丸太が幾つかあり、切り株には斧が刺さっています。


丸太や切り株を調べる場合、<アイデア><生物学*2><博物学>などの成功で

丸太や切り株の年輪を調べたところ、それなりの太さがあるにも関わらず、僅か10年程度で太く生長していると伝えます。

土壌を調べる場合は<地質学>で、成功時に土壌の栄養が他の地域と比べて非常に豊富だと伝えて下さい。


川に<目星>で、蛍を見つける事が出来ます。

<生物学><博物学>などで【☆5.導入】の【ホタルについて】を開示して下さい。


ーーーーー☆8.亜之村探索での情報まとめーーーーー

▽亜之家の人々の寿命

・亜之家の先祖たちは長くても40代で亡くなっている。

・一番新しいものは「亜之理衣子」であり、享年10歳。今から10年前に亡くなったようだ


▽霊園全体の墓

・江戸時代の頃まで墓は続いているが、江戸の頃は30代まで生きた者はいない

・現代に近づくにつれて伸びているものの、50まで生きたものは誰一人いない。


▽ギンリョウソウ

・シャクジョウソウ科の多年草。色素がなく全体が透けた白色で、花の柱頭は紺色。

・ベニタケ属菌類に寄生し、ベニタケ属菌類と共生した樹木の栄養を菌経由で得ている。

・古くは周囲の腐葉土から栄養を得ているとされていた。

・死骸の上に生えると言う噂があり、その姿から「ユウレイタケ」とも呼ばれる。


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☆9.郷土料理

夕方頃になり亜之家に向かうと、最初に出会ったお爺さんを含む十数人の老人達が集まっています。

その中には齢4~6くらいの幼児もいることでしょう。

墓から戻った探索者たちは村人が普通じゃないと気づく探索者が多いと思いますが、

この村の人々は「この村は元々そういうものだ」と認識しており、さして気にもしていません。

<医学><生物学><人類学>などでロールをしても、ごく普通の田舎の老人たちにしか見えません。

しかし、子供たちはその老人を父親、ないし母親と言って慕っています。

実際にどのような観点で見ても血縁であると分かる事でしょう。

当然「急激な老化」は異常と思えます。


そんな不穏さを感じながらも、食事の時間です。

おいしい山菜料理や互いの見識を肴に、場は様々な形で盛り上がっている事でしょう。

幼児は村の外の事をまだ知らないので、何処から来たの? 外ってどんなとこ?といった形で

探索者と軽くRPを図ってみると良いでしょう。

何か聞かれた場合は【☆7.住民との交流】の【▽住民NPCが知っている事】を参考に回答をしてください。


頃合いを見て、探索者に<目星>もしくは<聞き耳>を振らせましょう。

この際にお爺さん等を使い、本海がいないと言わせても構いません。

成功すると、本海が一人、その場を離れていく姿が見れます。

その時、本海の目が少し赤くなっているような、そんな気がするでしょう。


本海に着いていく場合、<隠れる><忍び歩き>などで気配を消している場合は

「理衣子…」

「せめてもう一度会えたら、俺は…」

といったように、妹の事で悩んでいるような呟きをさせて下さい。


本海に話を聞く場合、妹が8年前に川に落ちて死んだと答えます。

妹は料理がうまく、里で出されていた料理の一つが彼女の得意料理だったため、少し感傷に浸っていたのだと答えます。

詳しく聞かれた場合、本海は話すのを渋ります。 どうしてもという探索者がいたら

<信用>でロールを行います。 交渉のような形になっていた場合は<説得>でも構いません。

成功時【▽亜之 理衣子について】を公開して下さい。


この時点では、幻のホタル柱については関連性などを見い出せていないため、この時点では話しません。

戻ってくるまでに何か変わった事がなかったか、等の話題が出た場合は

更に<信用>でロールを行います。 交渉のような形の場合になっていれば<説得>でも構いません。

成功した場合、幻のホタル柱を森の奥で見た、でも場所は子供の頃だったし分からない、と答えます。


ーーーーー9.郷土料理で得られる情報まとめーーーーー

▽亜之 理衣子について

・妹は泳ぎが得意で、料理が上手だった。

・川を通る時に、足を滑らせて理衣子が落ちてしまった。

・いつもなら十分動く筈の身体がすごく重く動かず、理衣子を助けられなかった。

 その事をずっと後悔している。

・10年前に一緒にホタル柱を見た。 

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☆10.夜の亜之村

夕食を終えた後は2度目の探索タイム。夜の亜之村は沢山の蛍が舞っている事でしょう。

とても綺麗ですが、噂にあったような「幻の蛍柱」には遠い、と思うでしょう。


①亜之家内部

亜之家は住民から聞いた話の通り大きく、大きな建物に倉があるなど、この村の中ではかなり大きな屋敷です。


・亜之父の私室

多くの本がずらりと立ち並んでいる。 本海の父は勉強家だったのだろうか。

伝承や民話、図鑑や歴史の本、様々な本が所狭しと本棚に詰まっている。

<目星><図書館>で

多くの本の間に、一つの茶封筒が挟まっている事に気づく。

中には少し古くなった、A3程度の大きさの地図が10枚入っているようだ。

地図はどれも縮尺がバラバラで場所もバラバラ、どの地図にも×印が幾つも記されている。


・地図に<目星>

裏面を見てみると、掠れた文字で日付が書かれている。

×印が少ないものが最も新しく、×印が多い地図が最も古いもののようだ。

地図に対する<ナビゲート>に+10。


・地図に<ナビゲート>

地図の×印の一部が同じ場所を示していることがわかり、その事から縮尺の違いを割り出す事ができた。

×印が一番少ない地図が現在の亜之村を示している地図であり、×印が一番多い地図が最も古い亜之村の地図だということがわかる。

地図を良く見ると、一番新しい地図は最も古い地図の右端部分の一角であり、

村の面積はおおよそ1/10まで減少している事が分かる。

また、地図の中央…ここから5kmほど先に×印がたくさん重なっているようだ。


この×印について、事前にキノコを見つけている探索者には<アイデア>を振らせてください。

成功すると、この村に一番近い×印は、この村で見た光るキノコだと分かります。

<アイデア>クリティカルの場合、光るキノコは日本では10種程度しかなく、毒を持っているものは食用キノコと大変間違いやすいものであると分かります。


▽倉

倉の中には幾つもの書物や農具、ガラクタなど様々なものが詰まっている。

<図書館><目星>などで調べられる。


書物に<目星>もしくは<図書館>

沢山の古く価値のありそうな書籍が並ぶ中、【亜之村の伝承】という本が目に留まる。

クリティカルが出た場合は【日本妖怪絵巻】【日本の生物大百科】を出して下さい。

妖怪絵巻はシナリオ内で妖怪に関する事を


【亜之村の伝承】

亜之村に関する口伝をまとめたとされる、巻物状の手書きの伝記。

読むには<日本語>ロールに成功する必要がある。

成功時、【▽亜之村の伝承】を公開する。


ーーーーー☆10.夜の亜之村の情報まとめーーーーー

▽日本妖怪絵巻

多くの日本妖怪の情報がイラスト付きで書かれている。

今は絶版のプレミア品であり、書籍としてはかなりの価値がついている。

妖怪などを調べる場合、<オカルト+20>もしくは<図書館><目星>で代用が可能。

緊急時に使用は出来ない。


▽日本の生物大百科

日本に住むありとあらゆる生物が記載されている、動物好きな日本人必携の本。

ほ乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類などの動物だけでなく、植物や菌類の類まで網羅されている。情報量がとても多いが、重い。

使用時<生物学+20><博物学+10>、もしくは<図書館><目星>で代用が可能になる。

緊急時に使用は出来ない。


▽亜之村の伝承

【蛍之神】ケイノカミ

亜之村周辺の山の神「蛍之神」は数年に一度、夜に蛍を引き連れて現われる豊穣の神である。

蛍之神様は黄泉路より顕われ、人へ使いとして「黄泉蛍」という死者の生まれ変わりを放ち、子孫の様子を確認させるという。

蛍之神様が現れると、一時的に黄泉時と現が繋がり、その影響で辺りの生物が死んでしまう事もあると言う。

蛍之神はそれらを自らの現身である「野槌」を使い、屍を喰らわせて浄化、豊かな土壌へと作り変えると云われている。

また、黄泉路を開いて顕われるため、黄泉路にいる幽霊達がはぐれ出てしまう事もある。


※【黄泉蛍】ヨミボタル

黄泉蛍は6月頃に現われる小さな蛍。蛍之神の使いと云われている。

黄泉にいる魂たちはこの時期だけ、蛍の姿となって子孫の下へ帰る事を許されている。時が過ぎれば、黄泉路へと帰っていく。

稀に帰り損ねたり、家族の元から帰るのを拒んだ者が野槌に喰われ「ヨミジタケ」にされてしまうという。


※【野槌】ノヅチ

野槌は蛍之神様の現身であり、蛇のような姿をしていると云われている。

小さな体に見えるが、体が良く伸び、大きな物であっても易々と喰らうとされる。

野槌に喰らわれたものは腹の中で豊かな土となり、野槌は役目を終えると己の身もろとも土へ還すと云われている。


※【ヨミジタケ】

野槌に喰われ、この地に縛られてしまった魂の成れの果てと云われている。

触れるだけで体を蝕まれると云われ、食べれば当然死んでしまう。

ヨミジタケは蛍之神様との約束を違えて現世に残ろうとした者の成れの果てであり、

罰としてその場から一歩も動く事の出来ない人々に害を成してしまう存在として忌み嫌われる姿にしたと云われている。

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☆11.森の奥へ

夜に×印の所へ向かう場合、2時間ほど時間が掛かる。

<ナビゲート>or<天文学>の成功で正確に位置を把握し、効率よく足を運べ、移動時間を1時間短縮できます。

クリティカルの場合は


本海が先行している場合、探索者より一時間先に進んでいるものとして判定を行います。

ナビゲート成功で、森の奥でちょうど本海と合流出来るものとします。


1時間ごとに、探索者達に<幸運>で判定を行わせる。

<幸運>に失敗した場合は、森の中で光る何かに触れて、何から身体から抜き取られる感覚を覚える。

正気度喪失0/1d3。 また、MPを1d3減少する。

他の探索者と情報を共有しようとした際には既に消えている。

なお、傘などを使っていた場合は防ぐ事ができるが、道具の耐久度が1d6減少する。


<幸運>ファンブルだった場合、貴方は後ろから身体を掴まれる。

そして貴方は見るだろう、ある人物の生き様を。彼の死に様を自らの身体を以て知る。死ぬ時の痛みを、苦しみを、味わう事だろう。

そして、自らもそのまま、死者の魂とともに死にいくのではないかという錯覚を覚える・・・臨死体験、正気度喪失1/1d4+1、1d6のMPを喪失してしまう。

この際、他の探索者も亡霊を視認してしまい、正気度喪失0/1d3となる。


☆12.幻のホタル柱

森の中を進みきると、開けた場所に出る。

開けた場所には、一本の立ち枯れた木。 その木の上には明滅する淡い光の群れ。

そして、木の根元には淡く光り続けている緑の光が無数にあるようです。


>>探索者が本海を追いかけて来ている場合、10.のナビゲート結果により本海の位置が変わる。

ナビゲート失敗時、枯れ木の前で佇んでいる。

ナビゲート成功時は中央辺りで佇んでいる状態となります。


木の根元の光に<目星>で、キノコであることがわかる。

>>追加で<生物学>など

このキノコは貴方の知っているキノコと確かに似ているが、全く違う別の物である。


探索者のロールプレイの区切りが付いた所で、枯れた木の根元から淡い光が満ち、

枯れ木を覆い尽くす。その光は天へ伸び、まるで火柱のように舞い上がる。

幻のホタル柱の顕現。 ここまでは、噂通りの美しい光として描写をしましょう。


顕現後、頃合いを見計らい周囲に3d6*10の亡霊が沸き、木の根元にも一体の亡霊【亜之理衣子】が現れます。

その後、灯火はそのまま地に落ち、その地点を腐らせ、死を撒き散らすでしょう。

この時に<アイデア>成功で全ての元凶がこの幻のホタル柱である事に気づいてしまい、正気度喪失1d3/1d20。

アイデア失敗の場合はただただこの死の恐怖が恐ろしくてたまらない、と言った形で正気度喪失1/1d10となります。

この場面になるまでに自分で気づいた探索者がいた場合、もしくはアイデアがクリティカルの場合は、

その探索者は”冷静、かつ理性を以てして状況を正しく分析できたため、ショックが少なかった”などと描写して、正気度喪失をアイデア失敗の値と同値とします。

ファンブルの場合はこの存在の恐ろしさを理解し、その先にいる多くの神々の存在を理解し、畏怖し、恐怖してしまう。

1d3+1/1d20+1とし、更にクトゥルフ神話技能を1d3成長とします。


この時に発狂してしまった者がいた場合、出来る限り狂気はプレイヤーに決めさせてあげて下さい。

不定の狂気はしっかりと相談をし、プレイヤーの提案を受け入れてあげて下さい。


描写例:光に彩られた木)

満点の星空も樹木によって遮られ、虫の鳴き声すら聞こえない、静寂と暗闇が支配する中

一点の光が見える。

その光はどこからともなく現れ、明滅しながらゆっくりと飛んでいく。


明滅する光に着いていくと、暫くして少し開けた場所へ出る。

その光は、一本の立ち枯れた木にたくさん集まっていた。

その木の根元にも同じ光があるが、こちらの光は明滅せず、ずっと光ったままだ。


淡い光が枯れた木に集まり、葉となり花となる。

その光は満点の星空とはまた違った輝きを持ち、その幻想的な光景に、この場にいる者達は息を呑む事でしょう。


描写例:幻のホタル柱)

そのような光景に見惚れていると…

枯れた木の根元から、淡い光が満ちてくる。

不思議と眩しさを感じない、淡い光が満ち溢れ、それは立ち枯れた木をその光ごと覆い尽くした。

そして、その光は天へと伸びていく。

まるで火柱のように舞い上がる、淡い緑色の光の集合体。

天を穿たんとばかりに燃え上がる、光の柱。

幻と呼ばれたホタル柱が、今。 貴方達の前に現れた。


描写例:異変)

ふと辺りを見回していると、人がいた。 多くの人がいた。

どの人物も、薄く透けている。 ……そう、”幽霊”だ。

そして、正面のホタル柱の傍らには…一人の少女の幽霊がいる。

彼女はじっと、本海を見つめている。

恐らく、彼女が… 本海の妹「亜之 理衣子」なのだろう。


そして、ホタル柱からはぐれ出て来た光が、大地に降りる。

そして……

その光の周囲が枯れ、朽ちていく。腐り果てていく。

まるで、光が死をもたらしているかのように。


描写例:アイデア失敗時)

どうしてこのような現象が発生しているのか、皆目検討が付かない

しかし、この光が美しい幻想的な光などではなく

触れれば死する、死の光だということは理解出来るだろう。


描写例:アイデア成功時)

貴方は気づく、気づいてしまう。

この幻のホタル柱は、ホタルの集まり等ではない。

老朽化の激しい建物。 異常なほどの短命が続いている村。 死体が一度も見つからない場所。

生きとし生けるもの、全てを死へ、黄泉へと誘う光。

この光そのものが、黄泉より現れ、死と腐敗を撒き散らし、衰退を与え全てを滅ぼす元凶なのだと。


リアルアイデア成功済みorクリティカル時の際の追加)

貴方は冷静、かつ理性を以てして、この状況を正しく理解し、飲み込む事が出来た。

そのお陰か、この光を見てのショックが少し和らいだだろう。


ファンブル時の追加)

そして貴方は気づく。何故か気づいてしまう。 この神は神の中でも末端の存在であると。

この神の先に、もっと強大かつ冒涜的な神々が存在している事を。

その事実は、貴方にとって最大級の絶望となるだろう。


☆13.森羅万象

幻のホタル柱は灯火を辺りに撒き散らし、落ちた場所は瞬時に腐敗し、死んでいく。

探索者たちに出来る事はただ一つ。 この場から逃げる事しかないでしょう。

しかし、本海はトゥールスチャの傍にいる亡霊「亜之理衣子」の元へ向かい、自ら理衣子の亡霊に触れようとします。

本海はこの時点で狂気に陥っており、理衣子をその手に抱こうとしているのです。


▽イベントルール

ホタル柱から灯火が撒き散らされ、正気度喪失および狂気の処理終了後、ホタル柱の元から逃げるまでの間は戦闘ラウンドとして処理を行います。

探索者が第1Rで即座に逃走する場合は自動成功です。


第2R開始時に”ホタル柱の勢いが急に強くなり、死の灯火が広範囲に、そして高密度に噴き出しはじめた”などの描写を行い、R終了時に【周囲15mに残っている者全て】に炎の塊で攻撃するようになります。

以降は高密度に降り注ぐ炎の塊を搔い潜って逃げる事となります。

逃走自体は自動で成功しますが、灯火に触れず幽霊にも当たらないようにするためにはDEX*5ロールが必要となります。

また、3R目から密度が更に濃くなるとして、1Rごとに逃走時のロール、回避などのロールに-5の補正が追加されていきます。


この際、亡霊たちの隙間を搔い潜るために目星などを要求された場合は、目星の場合は+5、ナビゲートの場合は+15の補正を全員に与えられます。

クリティカルの場合はKPの裁量で更に補正を掛けても良いでしょう。


DEX*5ロールに失敗時、灯火に触れてしまい正気度喪失0/1d2、MP1d3を消費します。

この際、厚手のコート、レインウェア等の身体を覆うものを着込んでいたり、傘を差している等の対策を取っている探索者は灯火の効果を無効にできます。

その後、更に周囲の亡霊に触れそうになってしまいます。

<回避><幸運>などを行い、失敗した場合は幽霊に触れて精神を侵され、正気度喪失1/1d4+1、MP1d6の喪失となります。

ファンブルの場合は精神を亡霊に精神を侵され、死へと誘われてしまう。

正気度喪失1/1d6の後、POW10と対抗となり、成功でMP1d6喪失、失敗でPOW1d3を永久喪失し、永久喪失したPOWの2倍のMPを喪失します。

これを受けて気絶、発狂をしなければ逃走成功。離脱する事が出来ます


発狂・気絶してしまった場合は、残念ながらトゥールスチャの攻撃範囲に残ってしまっているでしょう。

仲間に応急手当で起こしてもらう(厳密には不可能だが、救済措置として提案があれば許可をする)、もしくは引っ張っていってもらう等をしてください。

もし残った人間が倒れ、戻って助けたい!という方がいた場合は戻って現場に到着するのに1R、引き連れて逃走するのに1Rとします。


▽亜之本海の救出

理衣子のもとへ向かおうとする本海を救出する場合は、探索者は行動を消費して<説得><言いくるめ><精神分析><組み付き>などの行動で止める事が可能です。

第2R終了時に本海を止める事が出来なかった場合は、本海は理衣子に触れて精神を蝕まれ、そして灯火をその身に受けて黄泉路へと向かってしまうでしょう。


▽トゥールスチャと戦おうとする者がいた場合

戦おうとする探索者がいた場合、<生物学><地質学><博物学><歴史><オカルト>のいずれか一つでロールさせます。このロールにより行動の消費は発生しません。

成功時、この現象は矮小な人間には手のつけられない存在であり、例え倒したとしても、待っているのは最悪の結末である事を伝え、戦う事の無意味さを説いて下さい。


<クトゥルフ神話>に成功する事で、振る事でこの存在の特性を知る事ができるでしょう。

その場合は、ルールブックのステータスをそのまま、しかし”攻撃対象が攻撃範囲内の対象全てに1回”と言う事を忘れずに伝えて下さい。

そして、呪文の搭載を匂わせる旨の情報を必ず入れ、戦う事の無意味さを説いて下さい。

<クトゥルフ神話>で致命的失敗をした者がいた場合は、トゥールスチャの先に居る神【アザトース】を知覚してしまい1/1d10の正気度喪失をプレゼントしてあげましょう。

クリティカル時は正気度喪失は無しで、致命的失敗時の情報を出しても構いません。


▽それでも戦おうとする場合は…

これらの情報を与えても、逃げずに戦おうとする者がいれば容赦する必要はありません。

炎の塊によるステータス永久減少だけでなく、貴方の望む呪文をトゥールスチャに搭載しても構いません。

外なる神としての力、その全てを以て、周囲に居る存在全てに、等しく死と腐敗と衰退を与えてあげてください。


生存している探索者と本海が全員離脱、もしくはトゥールスチャを討伐すればエンディングとなります。


ーーーーー13.森羅万象の描写例ーーーーー

描写例)トゥールスチャについて

この緑の炎は超自然の現象の一つであり森羅万象の存在。

この地の生態系の一部を担っており、自分たちにはどうする事も出来ないだろうと気づきます。

例えこれを退けたとしても… そこに待っているのはこの地の本当の”死”だけである。


描写例)

この緑の火柱は本来、地球に存在する存在ではなく、地球外に存在する”外なる神”の末端の一つでしかないと気づくだろう。

其の身に触れたものを死に至らしめ、腐敗させ、その周囲を全て衰退させる外なる神、緑の炎”トゥールスチャ”。

この外なる神に対するには、人間の常識を超えた禁忌の力”呪文”しかない。

しかし、この神は”人間の知っているでろうあらゆる呪文”その全てを知り、行使してくるだけの力を十分過ぎるほどに持っているだろう。

そして、何よりも恐ろしいのはこれだけの力を持つこの火柱はトゥールスチャの”一部”でしかないということだ…


致命的失敗時の追加描写の例)

貴方は気づく、気づいてしまう。この火柱の先に、更に多くの外なる神が存在している事を。

そして、その最奥に…時空を超越した、その身を沸騰させ混沌の奥底で眠る神を見る事だろう。

奈落の底の、混沌の最後に眠る不定形の暗い影、無窮の中心で冒涜的な言辞を吐き散らしている無限の魔王。

その御身は、矮小な人間が受け入れるには余りにも大きく、そして冒涜的で恐ろしい存在であった。


ーーーーーーーーーー

【蛍之神】(トゥールスチャ) 緑の炎 死と腐敗と衰退をもたらすもの

STR60 CON36 SIZ78 INT15 POW15 DEX12

HP57 MP15 回避0

炎の塊:80% R終了時、「半径15m内の全ての対象」に炎の塊が落ちる可能性がある。

1d(経過R数-1)人に攻撃が降り注ぐ可能性があり、対象はランダムで選択される。

回避・受け流し可能。ただし素手での受け流しは不可とする。【傘】などで頭上を守れる場合は一度だけ自動成功とする。

受け流した際、受け流しに使用した道具は一度きりで腐り、壊れてしまう。


攻撃成功時、対象は2d10歳の年を取る。

また、CON*5ロールを1回、POW*5ロールを2回行う。

CONロールは1/1d6のCONを永久喪失し、POWロール一回目は1/1d6のPOWを永久喪失する。

二度目のPOW*5ロールに失敗した場合、1d6を振る。

出目1,2の場合はSTRを1、出目が3,4の場合はDEXを1、出目が5,6の場合はAPPを1を永久喪失する。


装甲:なし。ただし、貫通武器、熱、寒さ、酸、電気からは影響を受けない。

 爆発物および物理攻撃は最低値のダメージを与える。

 魔術は通常のダメージを与える。

トゥールスチャのHPが0になった場合、トゥールスチャは追い払われるのみであり倒す事は出来ない。


☆14.エンディング

探索者たちがホタル柱の灯火から逃げ果せ、村まで戻って来た頃には、夜空に瞬いていた緑の光は消え失せ、虫の声が聞こえてくる。

先ほどまで聞こえなかったその虫の声を聞き、安堵する事だろう。


A.本海が生還している場合

ふと、本海の手に、一つの光が舞い降り、止まる。

それは一匹の蛍。

儚い命の灯火をその身に宿した虫。

同じように、貴方達にも何匹かの蛍が現れ、貴方達の周囲を舞っている。

儚く、小さな命の灯火は、幻のホタル柱などよりもずっと、美しく見える事だろう。

そして…

本海に止まった蛍が離れ、周囲の蛍達を引き連れて飛び立つ。

蛍達は、星の瞬きの中へ消えていった。

本海は、貴方達に巻き込んでしまった事を深く謝罪し、そしてお礼を述べます。

「…あれが何だとはいえ、俺たちには、いや人には」

「あれをどうする事も、できないんでしょうね」

「ただ、あれを避けて生きるしか、俺たちには出来ない」

「これから、もっと正確にこの地の事を、みんなに伝えていかなくちゃいけない…」

「…理衣子は、もう死んでしまった」

「会う事も出来ない。 会えるとしても、俺たちの道が交わっちゃいけなかったんだ」

「だから、せめてもう振り向かず」

「あの頃の理衣子の笑顔を胸に、村のみんなと生きていきます」


こうして、不思議な噂の飛び交う村、亜之村の真相に辿り着き

そして、生き延びる事ので来た探索者達

貴方達の尽力により、一人の青年が救われ

そして、亜之村の人々は、真実を知る本海の指導によって、より理解を深め

あのホタル柱の灯火の被害も、ぐっと減っていく事でしょう。

そして、外から来た者も、真相を知る事となった村の者たちの手によって被害も減り

螢火の下で、生者の影が映る事はきっと、なくなることでしょう。

<<GOOD END>>


B.本海が死亡している場合

ふと、辺りを見回すと。

幾つかの光が、貴方達の周りを舞っている。

よくよく見れば、その光からは蛍の姿を見て取る事が出来るだろう。

蛍は、貴方達の周りを暫く舞った後

蛍達は、星の瞬きの中へ消えていった。

<<CUTRUE END>>


C.トゥールスチャを撃退してしまった場合

それから、数ヶ月後。 貴方はとあるニュースを聞く事でしょう

「○○県にある亜之村周辺が本日、災害指定地域として認定され、立ち入りが禁じられました」

「亜之村周辺の植物は全て死に、動物の遺体で溢れており、政府は処理に追われています」

「研究者の話によると、生態系のバランスが致命的に崩れた結果によるものとの話も出ており…」

といったニュースを耳にする事でしょう。

<<BAD END>>


☆15.クリア報酬

<CUTRUE END>

1d10 シナリオクリア


<GOOD END>

1d10 クリア報酬

1d3+1 本海の生存


<BAD END>

正気度報酬なし


日本妖怪絵巻を持ち帰った探索者は<オカルト>or<人類学>1d5成長。

日本生物大百科を持ち帰った探索者は<生物学>or<博物学>1d5成長。